食事は私たちの生活において、栄養摂取だけでなく、楽しみやコミュニケーションの場としても重要な役割を果たしています。しかし、関節の変形や筋力の低下などでお箸の使用が困難になると、その楽しみが減少してしまうことがあります。そんな時に役立つのが「自助具」です。今回は、びびんこ大分の会員さまへのサポート事例を通じて、自助具のお箸の活用についてご紹介いたします。
会員さまの声:お箸の使用が難しい
先日、代表理事の田口が会員さまのお宅を訪問した際、持病の影響で関節の変形が進み、「食事の際にお箸が使いにくく、うまく食べ物を挟めない」というお悩みを伺いました。食事は日常生活の中で大きな喜びの一つであり、その時間が不便やストレスを伴うものになるのは避けたいものです。

自助具のお箸で食事の喜びを取り戻す
この状況を改善するため、びびんこ大分では自助具のお箸を取り寄せ、会員さまに試していただくことにしました。自助具のお箸は、関節の可動域が制限されている方や筋力が低下している方でも使いやすいように設計されています。例えば、バネ付きで開閉が容易なものや、持ち手が太く握りやすいものなど、さまざまな種類があります。
実際に会員さまに使用していただいたところ、「これはいいね。今まで挟めなかったものがしっかり掴めるし、痛みもない。こんなものがあるなんて知らなかった。」と大変喜んでいただけました。食事の際の負担が軽減され、再び食事の時間を楽しんでいただけるようになりました。

自助具とは?
自助具とは、障害や病気、加齢などにより日常生活動作が困難になった際に、その動作を補助し、自立を支援するための道具です。食事に関する自助具としては、今回ご紹介したお箸の他にも、持ち手が曲がるスプーンやフォーク、滑りにくい食器など、多種多様なものがあります。これらの自助具を活用することで、日常生活の質を向上させることが可能です。
自助具のお箸の選び方
自助具のお箸を選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
- 持ちやすさ:握力が弱い方でも持ちやすい形状や素材のものを選ぶ。
- 操作性:バネ付きで開閉が容易なものや、ピンセット型で軽い力で使えるものなど、操作しやすいものを選ぶ。
- 素材とお手入れ:耐久性があり、食器洗い機に対応しているなど、お手入れが簡単なものを選ぶ。
例えば、「箸ぞうくん」という自助具のお箸は、ピンセットのような形状で、軽い力で食べ物を掴むことができ、関節に負担をかけずに使用できます。
自助具の活用で広がる可能性
自助具を活用することで、食事だけでなく、日常生活のさまざまな場面で自立度を高めることができます。例えば、着替えや入浴、移動などの動作をサポートする自助具も多数存在します。これらを適切に活用することで、生活の質を向上させるとともに、介護者の負担軽減にもつながります。

びびんこ大分の取り組み
びびんこ大分では、会員さま一人ひとりの状況やニーズに合わせたサポートを心掛けています。今回のように、日常生活での困りごとに対して、適切な自助具の提案や使い方のサポートを行うことで、会員さまがより快適に生活できるよう支援しています。
また、私たちスタッフ自身も、会員さまとの交流を通じて新たな気づきを得ることが多くあります。例えば、医療や介護の現場では一般的に知られている自助具でも、一般の方々にはあまり知られていないことがあると再認識しました。今後も、こうした情報を積極的に発信し、会員さまやそのご家族の生活をサポートしていきたいと考えています。
まとめ
食事は生活の中で大きな楽しみの一つです。関節の変形や筋力の低下などでお箸の使用が難しくなった場合でも、自助具を活用することで、その楽しみを取り戻すことができます。びびんこ大分では、会員さま一人ひとりの状況に合わせたサポートを行い、日常生活の質の向上を目指しています。お困りのことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。